まず、能動態と受動態という言葉から始めましょう。
能動態…主語が行動を起こす文の形「〜する」
受動態…主語が行動を受ける文の形「〜される」
受動態は「be動詞+過去分詞」で表すことができます。例文で見てみましょう。
was(be動詞)+ written(過去分詞)になっています。
能動態の文では目的語になっているthe bookが受動態では主語になっていることがポイントです。(矢印を入れたのはこのためです。)このことから、受動態の文章では、出てくる動詞が基本的に他動詞でしかないということが分かります。
また、受動態の動詞の動作の主はby「〜によって」で表すことができます。
時制に関してはbe動詞を過去形にしたり、willなどをbe動詞の前に置いて未来形にしたりと、be動詞の時制変化をそのまま行えばOKです。
ここまでを基本として、覚えておいた方が良いこと、気をつけたいことを書いていきます。
受動態の完了形・進行形の形を覚えよう
受動態の完了形の形はhave+been+過去分詞 (beenはbe動詞の過去分詞)
受動態の進行形の形はbe動詞+being+過去分詞 (beingはbe動詞の進行形)となります。
完了形のhave+過去分詞、進行形のbe動詞+過去分詞が優先で先に来ることを覚えておきましょう。
This room has been cleaned by him.
(訳)この部屋は彼によって掃除されたところだ。
The tower is being built in Tokyo.
(訳)そのタワーは東京に建てられている。
動作の主は省略できる
「受動態の動詞の動作の主はby「〜によって」で表すことができます。」という風に書きましたが、その動作の主は省略することができます。省略は、動作の主を言及する必要がないとき、分からないときによく起こります。
A lot of things are sold at the store.
(訳)たくさんのものがその店で売られている。(ものを「売っている」という動作の主が店員さんなのは分かりきっているので言及する必要がないので省略されています。)
The man was killed in his room.
(訳)その男性は彼の部屋で殺された。(男性を「殺した」という動作の主が分かっていない、あるいは文脈上動作の主が分かりきっている場合は省略が起きます。)
by以外に使う前置詞がある
受動態の文では動作の主を表すときにbyを使いますが、by以外の前置詞を使う場合があります。これらの動詞については別の記事にも書いているのでそちらもどうぞhttps://kitakubustady.com/archives/150
①感情に影響を与える動詞の受動態
I was excited at the game.
(訳)私はその試合に興奮した。
She is satisfied with the result of the test.
(訳)彼女はテストの結果に満足している。
②その他の動詞の受動態でbyを使わない場合
The mountain are covered with snow.
(訳)その山は雪で覆われている。
The actress is known to everybody in japan.
(訳)その女優は日本でみんなに知られている。
動詞によってどの前置詞を使うかが決まってきます。surpriseならat、coverならwithという風にひとつひとつ覚えておきましょう。
自動詞でも受動態になる場合
上の方で受動態の文章では他動詞だと書きましたが、自動詞でも受動態の文を作れることがあります。それは句動詞(自動詞+前置詞)が使われる場合です。
My brother looked after my son when I went out.
⇨My son was looked after by my brother when I went out.
(訳)私が外出しているときに、私の息子は私の兄に世話をしてもらった。
自動詞+前置詞で他動詞と同様の扱いをするということも認識しておきましょう。
実は受動態の文章は現代では使われることが少なくなってきています。受動態の文章は能動態に書き換えられるのも原因かもしれません。英作文や英会話では動作の主への言及がいらないときだけは受動態を使うといいかもしれません。