助動詞2つ目は「may」です。4つの意味と慣用表現を紹介します。
mayの意味①推量「~かもしれない」
mayで一番よく聞く意味だと思います。例文で確認していきましょう。
He may go to America next year.
(訳)彼は来年アメリカに行くかもしれない。
五分五分くらいの推量のイメージをもってください。少し堅い書き言葉でも使われることが多いです。
mayの意味②許可「~してよい」
canと同じようにmayには許可の意味があります。canとの違いはmayのほうが堅いということです。詳しくはcanの記事に書いているので、そちらもご覧ください。https://kitakubustady.com/%e5%8a%a9%e5%8b%95%e8%a9%9e%e2%91%a0can%e3%82%92%e6%8e%98%e3%82%8a%e4%b8%8b%e3%81%92%e3%82%8b%ef%bd%9e%e3%80%8c%e3%81%a7%e3%81%8d%e3%82%8b%e3%80%8d%e4%bb%a5%e5%a4%96%e3%81%ab%e3%82%82%e6%84%8f/
You may use your textbook during the test.
(訳)あなたたちはテスト中に教科書を使ってよいですよ。
①の推量の意味で訳すと「あなたたちはテスト中に教科書を使ってもいいかもしれない」となりますが、テストに関することでこのような発言はないと考えられるので、おかしく感じますよね。
mayの意味③禁止「~してはいけない」
「may not」で禁止の意味が生まれます。②の意味の許可を否定すると「不許可」=「禁止」となります。
You may not enter here.
(訳)ここに入ってはいけません。
※must not の禁止との違い
must notにも「~してはいけない」という禁止の意味がありますが、must notには「(強く)ダメだ」というニュアンスが含まれています。一方、may notには不許可なので「許されていない」というニュアンスが含まれます。これを比較すると、must notの方が強く禁止している印象を受けます。また、mayには堅い意味もあることから、公的機関からの禁止を感じられます。
You may not eat anything here.
(訳)ここでものを食べてはいけません。
You must not eat anything here.
(訳)ここでものを食べてはいけません。
上の例文であれば、(例えばですが、)図書館にいて何か食べようとした人に注意をするしているような場面が想像できます。
下の例文であれば、(例えばですが、)子どもがつまみ食いしようとしているのをお母さんが注意しているような場面が想像できます。
mayの意味④祈願「~しますように」
一番聞きなれない意味だと思います。さらに、普通の助動詞の用法と少し異なって、感情がこもって倒置がおきて、mayが文頭に来ます。
May she win the game.
(訳)彼女が試合に勝ちますように。
実は④の祈願は②の許可の派生です。神的な何かに「許しを請う」というようなニュアンスがあるからです。
mayを用いた慣用表現
mayを用いた慣用表現を3つ紹介します。
①may well「~するのはもっともだ」「多分~だろう」
You may well get angry.
(訳)あなたが怒るのももっともです。
He may well be a highschool student.
(訳)彼は多分高校生だろう。(通常のmayよりも可能性が高いことを表しています。)
②may as well「~してもいい」
You may as well go home if you don’t feel well.
(訳)もし体調が悪かったら家に帰ってもいいですよ。(積極的に勧めているわけではないので注意です)
③may as well ~ as … 「…するくらいなら~するほうがましだ」「…するのは~のようなものだ」
I may as well walk as wait here.
(訳)ここで待つくらいなら歩いたほうがましだ。
You may as well throw your money into the sea as lend it to him.
(訳)彼にお金を貸すのは、お金を海に捨てるようなものだ。
wellとasのあいだにあることがらが「多少はマシ」のイメージをもっておけば大丈夫です。
いかがでしたか? mayだからといって絶対「~かもしれない」だ!と思う前に、いったん冷静になって意味を検討してみましょう。許可や禁止、祈願かもしれませんよ?
ちなみに、mightには触れていないのですが、助動詞の過去形でまとめていきたいと思っていますので、またそちらも完成したら読んでみてください。