英語では主語が長くなったり、第5文型の目的語が長くなったりすることを避けがちです。いわゆる頭でっかちは嫌われる、ということです。しかし文の構成上そうなってしまうことがあります。そのときにどうするかというと、形式的にitを主語やひとつめの目的語の場所に置いておくという方法を取ります。なので形式主語、形式目的語という名前がついています。形式的なitは代名詞itとは違って「それ」と訳すことがなく、it自体は全く訳しません。
形式主語①−1 to不定詞の場合
To study English is important.
⇨ It is important to study English.
(訳)英語を勉強することは重要だ。
上の文では「To study English」が主語の位置にあります。これでは頭でっかちなので、主語の位置には代わりに「It」を置きます。そして「to study English」は後ろにもってきます。
形式主語①−2 対象を表すfor/of
形式主語の文において、文の中の対象を表すことができます。普通は「for+(対象)」を形容詞などの後に置いて「〜にとって」と訳します。
It is important for you to study English.
英語を勉強することはあなたにとって重要だ。
また、普通はforなのですが、場合によってはofになります。それはどのような場合かというと、It is 形容詞 〜.の形容詞が人の性質・性格を表している場合です。
It is careless of you to make a such mistake.
(訳)あなたがそんなミスをするなんて不注意だ。
形式主語② that節の場合
〈That she has gone to London〉 is true.
= It is true 〈that she has gone to London〉.
(訳)彼女がロンドンに行ってしまったということは本当だ。
上の文では「That she has gone to London」が主語の位置にあります。これでは頭でっかちなので、主語の位置には代わりに「It」を置きます。そして「that she has gone to London」は後ろにもってきます。
形式目的語① to不定詞の場合
I thought to read English books(o) easy(c).
⇨ I thought it(仮o) easy(c) to read English books(o’).
(訳)私は英語の本を読むことは簡単だと思っていた。
上の文では「to read English books」が目的語の位置にあります。これでは長いので、目的語の位置には代わりに「it」を置きます。そして「to read English books」は補語の後ろにもってきます。
thinkの他にはfindやmakeでよくこの形を使います。
find it (c) to ~ ⇨ 〜することは(c)だと気がつく
make it (c) to ~ ⇨ 〜することを(c)だとする
形式目的語② that節の場合
I found 〈that he was kind〉(o) true(c).
⇨ I found it(仮o) true(c) 〈that he was kind〉(o).
(訳)私は彼が親切だということが本当だと気づいた。
上の文では「that he was kind」が目的語の位置にあります。これでは長いので、目的語の位置には代わりに「it」を置きます。そして「that he was kind」は補語の後ろにもってきます。
また、第5文型だけでなく、自動詞が前置詞を伴って目的語のように名詞を導きたいときに「it」を置いてその後ろにthat節をおく場合があります。
I agree to it 〈that she will become a team captain〉.(to itは省略できる)
(訳)私は彼女がチームのキャプテンになることに賛成している。
I depend on it 〈that they will read the message〉.(on itは省略できない)
(訳)私は彼らがそのメッセージを読んでくれることをあてにしている。
that節について書いた記事にも書いてあるので、そちらもぜひ読んでみてください。https://kitakubustady.com/archives/205
いかがでしたか?長文でも文法問題でもよく出るので、この構文はぜひ覚えておきましょう。