canを皮切りに、助動詞について書いていきたいと思います。助動詞とは、その名の通り動詞を助けるもの、動詞に意味を足すものです。「主語 助動詞+動詞の原形」が基本です。では「can」について掘り下げていきましょう。
canの意味①能力・可能「~できる」
canの意味として一番最初に習う意味だと思います。例文で確認していきましょう。
He can run very fast.
(訳)彼はとても早く走ることができる。
「彼」に「早く走る」能力があることを表しています。
You can swim here because the waves are calm.
(訳)波が穏やかだから、ここは泳ぐことができる。
単に能力だけでなく、状況によって可能であることを表すこともできます。
canの意味②許可「~してよい」
ここからは「~できる」以外の意味を確認していきます。まずは「~してよい」です。
You can use my textbook.
(訳)私の教科書使っていいですよ。
canの許可は比較的ラフに「~していいよ」のように使うことのできる許可です。疑問文にすると、「~してもいい?」とラフに聞くことができます。
Can I open the window?
(訳)その窓開けてもいい?
このラフさから、「Can I help you?」で「お手伝いしましょうか?」と話しかけることもできます。もし困っていそうな外国の方がいたらこれで声をかけてもいいですね。
※mayの許可
mayにも「~してよい」という許可の意味があります。canがラフなのに対してmayはお堅い許可のイメージです。
Can I come in? (訳)入ってもいい?
May I come in? (訳)入ってもよろしいですか?
このような違いがでます。
canの意味③可能性「~しうる」「~ことがある」
なんとなくスルーされがちな気がする可能性「~しうる」ですが、長文では普通にこの意味で見かけることがあります。
Anybody can make mistakes.
(訳)誰でも間違うことがある。
これを「誰でも間違うことができる」と訳してしまうのはなんだかおかしいですよね。
canの意味④(否定文で)可能性の否定「~のはずがない」
ここから少し派生的な意味を扱っていきます。上の3つが完璧だという人も、しっかりと確認していきましょう。
She cannot be in Japan.
(訳)彼女が日本にいるはずがない。
can’t(cannot)で③でやった可能性を否定できます。「~ことがある」→(否定すると)「~することはない」→「~のはずがない」と日本語で転じていくイメージでしょうか。強めに感情が乗っている表現です。
canの意味⑤(疑問文で)強い疑い「~なんてありえるのか?(いやありえない)」
この意味はあまり覚えてない人もいるかもしれません。漢文でいう反語のような意味になっています。
Can she be in Japan?
(訳)彼女が日本にいるなんてありえるだろうか?(いやありえない)
強い感情をのせて疑っています。結局、④の可能性の否定に近い意味になっています。
canを用いた慣用表現
canを用いた慣用表現を3つ紹介します。
①cannot~too… 「いくら…しすぎてもしすぎることはない」
You cannot be too careful when you drive a car.
(訳)車に乗るときは、いくら注意してもしすぎることはない。
②cannot help -ing 「~せざるをえない」「~せずにはいられない」
He couldn’t help laughing.
(訳)彼は笑わずにはいられなかった。
③cannot (help) but ~ 「~せざるをえない」「~せずにはいられない」
I can’t help but know him.
(訳)彼のことは知らざるをえない。
いかがでしたか? canだからといって絶対「~できる」だ!と思う前に、いったん冷静になって意味を検討してみましょう。許可や可能性かもしれませんよ?
ちなみに、couldには触れていないのですが、助動詞の過去形でまとめていきたいと思っていますので、またそちらも完成したら読んでみてください。